その3 山の尾根から上がる不思議な光
あれは、小学校低学年のころだったと記憶しています。
何歳だったのかは曖昧ですが、目を閉じて自分の記憶をたどっていくと、あの時のあの瞬間の”?”だった感覚が蘇ります。
というのも、その光景は、多分私にだけ見えたものだったのではないかという気がしているからです。
おぼろげな記憶ではありますが、その時多分私の近くには祖母か姉か、誰かがいたという気がするのです。
本当に自分の目でそれを見たのかと聞かれると、返答に困ってしまいます。
これもまた、前回の妖精の時と同様、子供の見た夢なのか幻なのか… 判別がつかない類のものなのです。
でも、やはり依然としてそのイメージ、記憶は私の中にハッキリとあるのです。
いやー。 不思議な体験て、意外にしているものですね?
話を本題に戻しましょう。
その時は、多分夕方だったと思います。 私は2階の祖母の部屋にいました。
その頃私は、どういうわけか、祖母と一緒に寝るのが習慣になっていました。 おそらく寝る前に本を読んでくれるので、いつの間にか祖母の部屋で寝るようになっていたのだと思います。
でもその時は夕方で、私は祖母のベッドの横に立っていました。部屋は和室で、畳敷きでした。
そして私は、ベッドとタンスに挟まれた空間に立ち、ぼんやりと、部屋の東側のサッシを通して、ずっと向こうに見えている幾つかの山の連なった稜線を見ているのです。
最初から山を見つめていたのか、それとも異変が起こったから山の方を見たのか、それはもう覚えていません。 とにかくそこには、子供の私の目を釘づけにする光景が展開されていたのです。
それは、論理的にはなかなか説明の難しい光景です。
遠くの山々の稜線から、ものすごい勢いで黄色~オレンジ色の光が空に向かって飛んでいきました。
それは一瞬の出来事だったようでもありますが、しばらくの間、何本も何本も飛んでいったような気もします。
”?”
私の頭に浮かんでいたのは、このクエスチョンマークだけでした。 ぼんやりしてしまったと言ってもいいかもしれません。
”何?今のは一体何?”
ただ、それだけでした。
あまりにも唐突に来て、唐突に去ってしまった出来事だったので、その時もそれからも、この出来事については頭で整理は出来ていません。
ただ、”あった” と言えるだけです。
UFOだったのかなぁ? なんて思ったこともありますが…(^_~) 宇宙人が、うちから見える山から飛び立って、宇宙に帰るところだったのかな、と……。
誰かに解説してほしい。 と思うような、
そんな不思議(?)体験でした。