レインボウ・ジャーニー

アセンションをご一緒に!Yahoo!ブログで13年間続けてきたブログを今回こちらに移行しました。主に"目覚め~despertando.me”などからの転載記事になりますが、折りを見て自分の文章も織り交ぜていこうと思っています。魂の旅は、まだまだ続きます……。

APOCALYPTO いや~、やっぱメル・ギブソンってすごい!

 昨日、封切りの”APOCALYPTO”を観て来ました。
 以前、映画館で上映前のCMで見て、絶対観たいと思っていたので、寒空の中体を押して(?)、ダウンタウンまで赴いて来ました。

 劇場で映画を観るのはけっこう久しぶりだったんですが、流石は初日というだけあって、着いた時にはもう既に90%の席が埋まってました。前作”パッション”も話題になったメル・ギブソンの最新作ということもあって、みんなの期待も高かったんでしょうね。

 で。映画を観て。
 「やっぱメル・ギブソンてすごいな~」
 とつぶやいている自分がいました。
 何でしょうか、映像の美しさといい、カメラアングル、シーンカットのキレの良さといい、作品全体のテンポといい、全てが秀逸なんですね。一瞬も退屈するヒマなく、エンドクレジットまで一気に駆け抜けて行った感じでした。
 そしてこの映画、何といってもとにかく題材が新しい。
 舞台はスペイン人に征服される以前の中米の原生林。マヤ文明が栄えていた時代。今までこの時代のこの地域をテーマにした映画って無かったんだそうです。しかもこの映画、西洋映画なのに白人が一人も出てこない。全てネイティブインディアンや地元の俳優、エキストラを起用して撮影されたそうで…。しかも劇中のセリフは全てマヤ語。
 この辺りからして既に、メル・ギブソンやるなという感じなんだけど…。
 この映画のすごさはこんなものではありません。

 密林の中には、小さな部族が点在し、人々は狩をしながら平和に暮らしていた。人々は笑い、夜は焚き火を囲んで老人の昔話に聞き入ったり、ドラムのリズムに合わせて踊ったり、非常に人間関係の密な愛に満ちた生活を送っていた。
 ところが、そこへ突然好戦的な部族が襲来する。彼らは夜明けにやって来て、村に火を放ち、眠っていた村人達を情け容赦無く捕らえて行く。
 虜囚の身となった彼らが連れて行かれたのは、マヤ文明の都。そこでは日常的に、神に生け贄を捧げる儀式が執り行われていた…。て、ちょっと調べてみると、神に人間の心臓を捧げる儀式というのを行っていたのは中米にあるマヤではなく、メキシコの方のアステカ文明だったということなのですけど…。ちょっとこの辺、錯誤があるのかもしれません…。
 とはいえその生け贄の儀式の映像がまたけっこうすごくて…。
 ”パッション”の時にも思ったけど、メル・ギブソンって人間が大勢の観衆の前で残虐に殺されるというシーンに特殊なこだわりを持っているような気がします。あるいは、執着している、とでも言うか…。 実際、彼が主演もし監督もした”ブレイブ・ハート”でも、イングランド軍を相手に奇跡的ともいえる戦術を編み出して善戦したスコットランド独立のヒーロー、ウィリアム・ウォレスの最期を壮絶に描いていたし……。
 本当にむごたらしいのだけれど、やはり、生々しいとも言える、リアル過ぎるその映像には、おののきながらもつい見入ってしまいます。
 
 この映画の一番の見所といえば、もしかしたら密林に暮らす民族の身体能力の高さかもしれません。密林を縦横自在に駆け回る彼らは、脚の早さといいスタミナといい、同じ人類とは思えないぐらいです。

 映画で描かれている彼らの生き方、精神構造といったものはひたすらワイルド、悪い言い方をすればしごく単純で原始的です。
 例えばジャングルで蛇に噛まれたとする。仲間はただ、「良い道行きを」といった意味合いの引導を渡すような言葉をかけて、血管を開けば早く楽に死ねるなどというアドヴァイスさえ残して、さっさと行ってしまったりする。もう、そうなったらどうすることも出来ない、死ぬしかないということがわかっているのですね。だから噛まれた本人もじたばたしない。自分のナイフで腕を切って、潔く死を向かえていきます。
 生と死とが、こんなにも密接した生き方をこの人達はしていたんだと、はっとさせられました。

 それと、私の個人的な意見ですが、主人公ハッキリ言ってカッコイイです。初めは何とも思わなかったのですが、映画が進んでいくに従って、この人実はすごい美形なんじゃない!?と気づいて、映画が終わる頃にはすっかり夢中になっていました。オ・ト・コ・マ・エ・です!
 映画を観終わって数日経っても、なかなかトキメキがおさまらなかったので、アポカリプトのオフィシャルウェブサイトでちょっと調べてみました。
 彼は Rudy Youngblood というワシントン州出身のアメリカインディアンで、ダンサーであり歌手であるそうで、映画出演は今回初めてとのこと。今後もまた映画に出るかどうかはわかりませんが、日本でもブレイクする可能性は大。チェックしていこうと思います(^_^)。

 この映画、観るのをとても楽しみにしていたし、実際観に行ってホント良かったと思いました。
 とにかく迫力のある映像に圧倒されますし、マヤ(アステカ?)の都の様子や神殿のセットも壮観です。
 劇場の大画面で観るのにうってつけの映画だと思います。
 ストーリー的には全然複雑なところはないのですが、展開で魅せる映画とでも言いましょうか、最初から最後まで、息つくヒマも無くハラハラドキドキしながら観てしまいます。
 登場人物達が駆け回る原生林のカラーはととてもビビッドで美しいし、そこに暮らす人々の生活の場面も興味深いです(ちょっとしか映らないけど)。
 そして。あっといわせる最終シーンも待ってます。
 既にアメリカの評論家の間ではかなりの高評価を得ているそうです。でも全編に渡って繰り広げられる残虐シーンの為か、”暴力的過ぎる”との声も出ているとのこと。
 暴力シーンに弱い方にはおススメ出来ない映画かもしれませんね。
 
 でも、これまでのメル・ギブソン監督作品を見てきた方なら、きっとその魅力とメッセージ(何を言わんとしているか、ということですが)を存分に味わえると思います。暴力、野蛮ということなら、その当時は厳然としてあったことだし、メルは敢えてそこに着目し焦点を絞っているようにも見えます。

 今の時代に失われている、人間の原始的で残酷でワイルドな部分。アドレナリン満点のその時代にトリップして手に汗握れる映画です。
 
 今年のイチオシ映画はジェット・リーの”スピリット”だと思っていたのに、年末になってそれが一気に覆されてしまいました。 ははは。

 くどいようですが、最後にもう一度。

 メル・ギブソンってすごい!