レインボウ・ジャーニー

アセンションをご一緒に!Yahoo!ブログで13年間続けてきたブログを今回こちらに移行しました。主に"目覚め~despertando.me”などからの転載記事になりますが、折りを見て自分の文章も織り交ぜていこうと思っています。魂の旅は、まだまだ続きます……。

ジェット・リー最後のアクション映画、「スピリット」に感動!

 
 幼い頃、”少林寺”シリーズの映画で知ったリー・リンチェイ

 その頃はまだ幼さの残る少年といった感じで、しかも当時はジャッキー・チェンの全盛期でもあった中国映画の中で、私にとって彼の存在はそれほど大きくはなかった。だがジェット・リーと名を変えハリウッドで成功を収めるようになってから、小柄な体から繰り出されるしなやかなカンフーの動きに、いわば職人の仕事のようないぶし銀の光がそなわった彼の魅力を認めるようになった。そして「HERO]で大時代劇の感動を味わわせてくれたのち、俳優ジェット・リーは目を離せない映画人の一人となった。
 
 その彼が、今回を最後にもうカンフー映画は撮らない、と宣言したそうだ。これまでカンフー一本でやってきた彼が、それほどの覚悟を表明するということだから、きっと俳優として大きな心境の変化があったに違いない。これからの俳優人生に新しい活路を求めているのか、彼なりのターニングポイントを向かえて、今後の活躍をますます期待してしまう。
 
 ところで、本作の内容はというと。私の中で、今年イチオシと言っていいほどのスバラシイ映画だった。リーのカンフーアクションの魅力はもちろん余すとこなく最大の迫力をもって見せられている。これは、観ればすぐに納得していただけると思う。このアクションシーンのことだけでも、観る価値の十分にある映画だと言っていい。けれどそれに加えて、霍元甲(フォ・ユァンジャ)という実在した伝説的武道家の人生について、一つの道を追求する人が(達人と呼ばれる類の人達だ)辿る克己への道についてが、丁寧に描かれてもいる。その”武人”としての大切なことを、フォ・ユァンジャは段々と学んで行くのだ。
 
 この映画は私にとっては本当によくって、つい夫を映画館に引っ張って行って無理やり観させてしまったぐらいだ。彼もアクションシーンにはかなり惹きつけられていたようだった。それで私にとってはこの映画を観たのは2回目ということになったわけだが、実は機会があればDVDも買ってしまおうと思っているぐらいだ。それほど気に入ってしまった映画というのも珍しいのだけど…。
 
 あるインタビューで、ジェット・リーは今後アクション映画を撮るのを止めた理由について、こんなことを語っている。
 
 今まで武術映画に出演していた目的は、武術を広めていくことだったし、その為にただ映画の成功を願っていた。でも最近は、もっと自分のための作品を探すようになったきた、と。もっと自分自身にどんな責任があるか、8歳からカンフーを学んで自分が重ねてきた経験を皆さんとどう分け合っていくかを考えたい。映画を通じて、反暴力の思想、そして自分の人生観を伝えていきたいと思っている。本作で自分の武術に対する思いは出し切ったと思っているので、今後はもうこのように武術をテーマとした作品は撮らないと思う、と。 
 
 今後ジェット・リーリー・リンチェイ(彼の顔を見ていると、私にとってはリー・リンチェイと呼んだ方がしっくり来るんだよな~…子供時代から見ているからね)という役者がどういう変貌を遂げていくのかとても楽しみだ。ものすごく人懐っこい笑顔を持っているし、ヒューマンドラマ系の物語に出演して、性格俳優みたいになっていくのかしら…。そんな彼の演技も観たいと思う。
 
 あと、最後になりましたが、中村獅童が日本人の敵役として出ています。フォ・ユァンジャと対面してお茶を飲むシーンではちゃんと中国語で喋っていますし、試合してる間の太刀さばきなどはとても美しくて、洗練されているなあ…、と感じました。柔道による闘いのシーンでも柔軟な動きを披露していて、最後のシーンでも、武術の心得の奥深い部分を理解している日本人武道家という役柄をなかなか巧みに演じていました。でも「隣人13号」という映画の中でもそうだったけど、この人の演技って何故かおしなべて「得体の知れないブキミな者」っぽい存在になってしまうんですよねー。何でかしら?ポテンシャルのある俳優だとは思うので、これからもっといろんな役どころを見せて欲しいなーと思います。

 題名について;

 日本公開作品名は「スピリット」でしたが、北米では「Fearless」(フィアレス)で公開されていました。ちなみに中国語の原題では「霍元甲」(フォ・ユァンジャ)。
 これまでとこれからのジェット・リーの活躍に思いを馳せつつ、オススメします。ぜひ一度ご鑑賞を!